IEEE CCNC 2012 参加報告

桜打です。

卒論・修論が佳境で,
内輪向けにも参加報告する機会が当分ないと思うので,
忘れないうちに珍しくブログを書いてみます。

タイトルにもなっていますが,
ラスベガスで開催された IEEE CCNC 2012 に参加して来ました。
今回は発表もなく一人気楽に行って参りました。

日程的には,
13日 夕方現地入り
14日 Workshops & Opening Reception (8:00-20:00)
15日 本会議 (9:00-19:30)
16日 本会議 & Banquet with Keynote (9:00-21:30)
17日 Tutorials (8:30-16:30)
18日 早朝帰国の途へ
という感じです。

ちなみに,CES 2012 が今回の会議会場近くの Venetian で,
10-13日の日程で開催していました。

歩いて10数分ぐらいの距離にあります。

DSCF1350

Venetian の内部はこんな感じです。

F1000007

※内部の写真は3年前に泊まった時のものなので,今は若干違うかも知れません。

そして,おそらくはそのせいで,
13日の部屋が会場のホテルで取れず,14日の朝の移動は大変でした。
時差ボケはともかく,風邪を引きずっていたので。

DSC_0717

参加者の数は,思ったほど多くなく目算で70人ぐらいでしょうか。

DSCF1307

それでいて,4-6のセッションが同時に走っていたので,
各セッションの参加者はご想像通りです。
少数精鋭ということでしょうか。

また,韓国企業の Samsung が今回のスポンサーになっているということもあり,
系列も含めて発表が多かったという印象です。
日本企業では,KDDI,三菱,NEC,IBM (東京基礎研)の方などが発表に来られていましたが,
残念ながらスポンサーには名前を連ねていませんでした。
頑張って欲しいですね。

では,参加報告らしく,
面白そうな研究をご紹介しましょう。
ブログなので,一般受けしそうなものを。

一つ目:“Beyond Touch: Natural Interactions Using Facial Expressions”
顔の表情で機器を操作しようという研究です。

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例えば,周りの人に静かにして欲しい時には“シー”という動作をしますが,
同じようにテレビやオーディオも静かにしてくれるようになったり。
また,本などを読んでいて文字が小さいときは目を細めますが,
そうすると文字を拡大してくれたり,首の動きでページがめくれたり。
他には,直接の操作とは違いますが,
表示されているコンテンツを笑顔だと「好き」,渋い顔だと「嫌い」と判断したり。

当然のごとく精度の問題はあるようですが,
すぐにでも実用化できそうですね。

二つ目:“Exploring Emotional Preference for Smartphone Applications”
スマートフォンのセンサを使って,利用者の感情を読み取ろうという研究です。

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具体的には,タッチ,加速度,傾きの3つのセンサデータを使って,
普通,嫌悪,悲しみ,怒り,幸せ,恐れ,驚きの7つの感情の認識を試みたと。
すると,それぞれの感情が3つのグループ,
[嫌悪,怒り,恐れ],[幸せ/驚き],[普通/悲しみ]に分けられたそうです。
逆説的には,同じグループの感情は区別しにくいということでもあり,
精度に大きな課題が残っています。

ただ,タッチ操作だけで感情が読みとれるのではないかという兆しもあり,
近い将来,携帯電話をどのように操作しているかだけで,
例えばお互いの感情が分かるというような時代が来るかも知れません。

以下,一般受けはしない気もしますが,
各賞に輝いた研究と簡単な概要を記しておきます。

ベストペーパー賞:“A QoS based call admission control and resource allocation mechanism for LTE femtocell deployment”
→ LTEフェムトセル向けの通話管理とリソース割当を,通信品質に基づいて行う提案方式でちゃんと通話品質が制御できました。

学生ベストペーパー賞:“Predictably Reliable Media Transport over Wireless Home Networks”
→ IEEE 802.11 における PLR や RTT のバラつきを,パケットレベルでエラー訂正する提案手法で抑えられました。

ベストデモンストレーション賞:“Mobile Application Profiling with TestelDroid”
→ モバイルアプリケーションをマルチレイヤ(ユーザレベルからプロトコルスタックレベル)で分析できるようにしました。

あまり堅苦しい話ばかりでも何なので,
最後にいくつかこぼれ話をしようと思いますが,
長くなったので次の記事で。

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